
朝、まだ誰も起きていないキッチンで、ボタンをひとつ押す。
二十分後、あたたかいスープができあがっている。その間に私は洗濯物を干して、子どもを起こしている。振り返ると、湯気が立っている。それだけのことが、わりと嬉しい。
この朝を手に入れるのに、一年かかった。
レコルトの自動調理ポットが、ずっと欲しかった
SNSを開くと、誰かがレコルトの自動調理ポットでスープを作っていた。白くて、丸くて、置いてあるだけで台所が整って見える。画面の向こうの台所には朝の光が入っていて、私の台所には昨日の洗い物が残っていた。
欲しかった。ほんとうに欲しかった。
それでも買えなかったのは、値段のせいではなかった。スープしか作れない、ということが、どうしても引っかかっていた。
スープのためだけに、と思っていた
私はスープが好きだ。好きだけれど、毎日は飲まない。週に二回か、三回。
その頻度のために、台所の場所をひとつ明け渡していいのか。うちの台所はそんなに広くない。炊飯器と電気ケトルとトースターが並んでいて、その横に何かを置くには、何かをどかさなければならない。
カートに入れる。しばらく置いて、消す。また入れる。また消す。そんなことを一年くらい続けていた。
欲しいものを我慢しているつもりはなかった。ただ、決められなかった。
見つけた瞬間に、迷いが終わった
シロカの「おうちシェフ BLENDER SM-S151」を知ったのは、たまたまだった。
ヒーターが入っていて、加熱調理ができる。それでいて、普通のブレンダーとしても使える。つまり自動調理ポットとミキサーが、ひとつになっている。
そうか、と思った。
私が一年決められなかったのは、値段でも場所でもなく、「これ一台のために」という後ろめたさだったのだ。それが消えた瞬間、三分で買っていた。一年迷ったものを、三分で。
できることは、想像より多かった。容量は八百ミリリットル。ヒーターと断熱構造。独自の八枚刃。オートメニューが十二種類あって、レシピブックには六十七種類。それから、自動洗浄。スープ、スムージー、豆乳、発酵、薬膳。見た目はひとつの鍋なのに、やれることが多すぎる。
朝、コンロの前に立たなくなった
野菜を適当に切って入れる。水と調味料を足す。ボタンを押す。それだけ。
火加減を見なくていい。かき混ぜなくていい。焦がさない。
この三つが、ずぼらな私には決定的だった。手が空くというより、頭が空く。鍋のことを気にしなくていい二十分が、こんなに長いとは思わなかった。
その二十分で、私は洗濯物を干している。子どもの体操服を探している。忘れ物はないかと聞いている。台所からいい匂いがしてくる。それだけの朝が、以前とはまるで違う。
スタバ風のフラペチーノが、家でできた
想定していなかったのは、こちらのほうだった。
八枚刃のおかげで、氷がちゃんと砕ける。試しに作ってみたフラペチーノを、子どもたちが飲んだ。それから「またあれ作って」と言うようになった。
五百円払って買っていたものが、家から出てくる。子どもは喜んで、私の財布は痛まない。誰も損をしていない。
ミキサーが回る音がすると、子どもが台所をのぞきに来る。
自動洗浄がなかったら、続かなかった
正直に言うと、これがなかったら私は三回で使わなくなっていたと思う。
ミキサーが続かない理由は、いつも洗い物だった。刃の裏に食材が残る。指を切りそうで怖い。だから流しに置いたままになって、そのうち棚の奥に行く。私はそうやって家電をひとつ、だめにしたことがある。
SM-S151は、水と洗剤を入れてボタンを押せば、自分で洗う。
使ったあとが面倒じゃない。たったそれだけのことが、その家電を使い続けられるかどうかを決めてしまう。買う前の私は、そこを一番軽く見ていた。
正直に言うと、気になるところもある
容量は八百ミリリットル。大人二、三人分だ。四人家族全員がスープをおかわりする日は、少し足りない。
置き場所は、心配していたほど取らなかった。炊飯器の半分くらい。あれだけ「どこに置くんだ」と悩んだのに、結局うちは何もどかさずに済んでいる。
それから、粉砕しているあいだは音がする。ミキサーなのだから当然だけれど、家族がまだ寝ている時間に回すなら、起こしてしまうかもしれない。
それでも私は、買ってよかったと思っている。生活のレベルが上がった、という言い方がいちばん近い。
こんな人には、たぶん合うと思う
- 自動調理ポットが欲しいのに、スープ専用機を買う踏ん切りがつかない
- レコルトと迷って、止まっている
- ミキサーはあるけれど、洗うのが面倒で使っていない
- 朝ごはんを作る時間を、短くしたい
- 子どもが喜ぶものを、家で作れるようにしたい
ひとつでも当てはまるなら、たぶん合う。一年前の私は、上から四つに当てはまっていた。
よくある質問
レコルトの自動調理ポットと、どちらがいい?
スープを作る頻度で決まると思う。ほぼ毎日飲む人はレコルトでいい。週に数回で、ミキサーとしても使いたいならシロカ。私は後者だった。
ミキサーを持っていても、買う意味はある?
そのミキサーを、今も使っているかどうかだ。棚の奥で眠っているなら、理由はたぶん洗うのが面倒だから。それなら買い替える価値がある。
手入れは、本当に楽?
自動洗浄でだいたい済む。ただし、においが残りやすいものを作ったあとは、手洗いを足したほうが安心だと思う。
レシピは足りる?
オートメニューが十二種類、レシピブックに六十七種類。最初のひと月は、これだけで回る。慣れると、冷蔵庫にあるもので適当に作れるようになる。
迷っていた時間のほうが、もったいなかった
私は一年迷った。その一年、毎朝コンロの前に立っていた。
買ってからは、その時間がぜんぶ別のものに変わっている。洗濯を干す時間になったり、子どもの話を聞く時間になったり。たいしたことではない。たいしたことではないけれど、毎朝続いていく。
家電にお金を払うというのは、たぶんそういうことなのだと思う。物を買っているようで、時間を買っている。
スープ専用機を買う勇気が出ないまま止まっている人がいたら、これを見てほしい。あの一年を、もう一度やる必要はないと思うから。
この記事を書いた人
さこり
小学生と保育園児の子育てをしながら、暮らし・子育て・商品レビュー・副業体験を発信しています。「好きなものだけで暮らしたい」をテーマに、実際に使ってよかったものをリアルな体験とともに紹介しています。
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